タリン~世界遺産の中にある電子政府

今年6月、エストニアの首都タリンに訪問しました。タリンの旧市街地は世界遺産に登録されており、13世紀のハンザ同盟の町並みが残されている、とてもきれいな街です。食事もおいしく、治安もいいので、純粋に観光でもおすすめです。

エストニアは、ヨーロッパの東、バルト3国にある人口100万人程度の小さな国です。訪問しようと思った理由は、ニュースでも取り上げられていますが、日本ではとても手間がかかる確定申告が、エストニアでは瞬時に終わることです。日本でも、電子化が早かれ遅かれ進んで行くと思われます。その時の会計事務所のあり方を模索するため訪問しました。

訪問先の会計事務所の方に、エストニアの税制の概要を教えてもらい、決算・申告の仕方をPCの画面を見ながら説明して頂きました。とてもシンプルです。相続税はなく、法人税もありません。所得税も日本のように超過累進課税ではないため、簡単に計算や試算することができます。ただし、消費税は20%の単一税率ですので負担は大きく、消費税と所得税の申告・納付は毎月申告・支払となります。

今後電子化を進めるためには、電子化出来ない手続きを無くす必要があると思います。また、個人・法人の入出金データが国と共有していることが、効率化につながっています。レクチャーいただいた方のお話では、個人情報を提供することの抵抗感よりも利便性、閲覧履歴の可視化等が安心感につながっているようです。

会計分野だけでなく、保健医療分野や起業手続でもエストニアは電子化が大きく進んでおり、無駄な検査の削減や起業の実績(人口比日本の53倍です)につながっています。